新規就農への道

農業に魅力を感じて、2017年に10年務めた会社を辞めて、就農への道を進みました。


当初、経験のない農業をやりたい自分に対して家族の理解は微妙なところでした(^^;


給料もそれなりにいただいて、妻は専業主婦でも生活にはあまり困らない状況でしたので、わざわざ不安定な道に進むことに対して理解はしがたかったのでしょう。


それでも何だかんだついてきてくれて、今ではすっかり主戦力です(研修した自分より仕事早いときある)。


あまり自分から苦労話をするのは好きではないのですが、農業がそれなりな形になってきて、最初の苦労が今ではモチベーションの一つになっているので、なにか形として自分の農業人生の原点を残しておきたいなと思いこのページを作りました。


興味ある方や同じ志しの方だけでも結構なので、読んでいただければ何か参考になるかも知れないです。

約2年半の農業研修

画像は親方のとこの稲刈り風景です。


どこの行政でもおそらく研修制度は同じ様なものだと思うのですが、北海道岩見沢でもやや3年の研修が必要になります。


初年度はスケジュールを決めて、いろんな農家を転々と回ってそこで研修を受けました。いろんな農家の作付けや仕事内容が見れたので、かなり勉強になりました。


ここで農家の知り合いがだいぶ増えて、いろんな資材を譲っていただいたりなど大変お世話になりました。
いえ、現在進行形で今でもお世話になっています。


2年目は、親方のところでワンシーズン研修。稲作と施設野菜と露地野菜でした。


親方は若い方で、自分にとって師匠であり、兄貴であり、いろいろ相談できる方なので本当に良い付き合いをさせてもらってます。
そして足りない農機具はいっつも借りてます。
経営面積も広く、田植え時期になると自分も手伝いで毎年フル出勤で、その間の管理作業は妻がなんとかやってくれてます。


3年目は、市の試験農場の施設を借りて自分で実際に作付して、農協に出荷するところまでを市の予算の範囲で経験できます。(市の予算なので、売っても1円ももらえないです・・・)
良い条件の圃場で、試験施設の先生もいるのでわからないことはいろいろ聞きまくれます。


そして、研修の間に農地だったり、家だったりを探してもらったりしてましたね。

農地取得など

約1haの農地を作付けしています。(→R5年から3haになりました。)


画像はハウスを建てる前に緑肥をまいてすきこんだときのです。


農地の取得は新規就農者の一番の壁といってもいいのではないでしょうか。


北海道でも地域差はあると思いますが、機械化が進んでいる北海道の農業では、農地を増やしたい既存農家は意外と多いので、僕らのような新規就農者は条件のいい農地がなかなか選べないです。


なので、土づくりは資料や地元の人によく聞いて勉強しました。


それでも僕の時は、ありがたいことに何カ所か空いてる話をいただいて、いろいろ条件を見て結局親方の並びのところに就農しました。


選ぶ基準は、自分の場合ですが、
農地(地域) → 設備(農機具や倉庫の有無) → 住居
の優先順位で、あとは予算次第でした。


一番の商売道具は畑なので、それなりによくないとあとが大変です。ただ見てもわからないので、そこは地域の人が圃場の条件だったり、土づくりを教えてくれてすごく助かりました。


設備については、北海道でとくに岩見沢は雪が多いので、野菜を選別したり機械や道具をしまう倉庫だったり、スコップ一本経費ですから、なるべく居抜きで農機具や機械を残してあるところが理想でした。


ちなみに妻は許しませんが、本当は住居にはあまりお金をかけたくなかったですね~

住居のリフォーム

就農してまず手こずったのが住居でした。


築100年近い(らしい)かなり古い住居で手直しがかなり必要でした。


ここの前に見た候補地が、3階建てのえらい立派な家を見た後だったもので妻の説得が大変大変。


いずれ家を建てることを目標にしたかったので、何年か住めればいいかな程度で思って自分で直したのですが、これが以外と楽しくなってしまって、ついついがんばっちゃいましたので、可能な限り写真載せますので見てみてください。

ビフォーの写真です。


床は何カ所か抜けているし、壁は薄いし、水平じゃないのでなかなかの状態でした。


ここで4部屋あったのですが、どうせなら1部屋にしてしまえば26畳ちょっとあるので、子供も走り回れるのでいいなと思ったので、とりあえずやってみました。

とりあえず床も壁もすべてやり直そうと思い全部はがしました。


束石を直して、大工さんから貸していただいたレーザーの水平器を使って根太をはわして、断熱材入れてなどなど。

床張り作業。


並行でも垂直でもないので、測ってカットするのがまぁ難しい。
後のほうからだいぶ慣れて思ったようにカットできるようになりましたね。

冊子も中古のをいただいてしまってすごくありがたかったです。


買ったら数十万なんですもん。

玄関は薄い引き戸だったので、断熱材を入れたドアも自作です。


カギを付けるのに穴開けたりノミで削ったりなのでちょっと苦戦しました。

テレビを置いて収納できるスペースにしようとしたのですが、コンセントはつけたのにアンテナ線を引っ張ってくるのを忘れてしまったことを気づいたときの写真。

農業は家族経営なので、事務仕事もリビングでしようと思い、ここにパソコンを設置のための埋め込みの棚を作成。

床と壁とだいたい貼り終えたくらいのときです。


床材は、選ぶと高いので安くて肌触りのいい材料を張り付けて、ニスを塗って仕上げました。


水平もしっかりとったので段差もないしつるつるです。


真ん中の柱3本は怖くて抜けず、今では子供にシールを貼られまくりになってます。


この時くらいに壁をOSBのままか壁紙を貼るかで、妻と若干もめました。
自分はOSB派。

キッチンはもともと8畳一間でしたので、壁を作ってセパレートして、キッチンと脱衣所にしました。


キッチンは対面が良いとだいぶ途中に要望があったので、壁を壊して排水を工夫してなんとか対面に。


水道管もいちからやったのでなかなか苦戦しました。

新品の洗面台です。


妻と子供がいるので、水回り系はなるべく新品にしました。


本当はダメなんでしょうが、ヤフオクで買ってきたボイラーも独学で設置。
お湯が出てすごく安心したのを覚えてます。

このあとも、トイレの便座新品にしたり、お風呂も改装したり、子供部屋作ったり、屋根張り替えたり、外装ペンキ塗ったりなどやりました。


最初はあんまりお金使わないようにやれることは自分でやってできなかったら業者に相談しようと思ったのですが、結局全部自分たちでした。


Google検索でもYouTubeでも先生がいっぱいいるので、素人レベルでいいなら何とかなるもんでした。


一応、北海道の冬も数回越してますので、何とか快適に住んでます。
次は、目指せ新築です。

ビニールハウス設置

施設野菜をやるのにハウスも建ってなかったので、こちらも自分で設置。


ハウスパイプは、使わなくなったところがあったので、50m4棟を安く購入。


なんだかんだ全部で8棟分くらい皆さんから譲っていただきました。
本当にありがたいです。

一度建てたら曲がってても、直せないからお手伝いでだれかお願いしようかと思ったのですが、これまた結局自分たちでやってしまいました。


案外きれいにできたので結果オーライです。

唯一の新品

さかがみfarm唯一の新品です。


この手のトラクターの中古がなかなかでないんです。


出たとしてもだいぶ時間乗ってるくせにまあまあ値段がするのでパッとしないんです。


僕らのような施設野菜なら年間の使用時間なんてたかが知れてるので、新車なら一回買ってしまえばおそらく死ぬまで使えそうですし、修繕費にビビらなくていいので思い切って購入。


もちろん倉庫やその他資材が自己資金内で余裕で収まったのもあったからですが。

いざ就農

なんだかんだでいざ就農です。


はじめての畑なので、土質をはじめわからないことだらけだったので、まあ不安でしたね。


作物なり畑なりをよく観察して管理しての繰り返しですね。今もですが。

さかがみfarmの軌跡

「さかがみfarm」の就農までの軌跡はいかがでしたでしょうか。


振り返って客観的にみると大変そうだなぁって思いますが、当時は意外と大変に思ったことはなく楽しんできたっていうのが正直なところです。ありがたいことに周りの方にだいぶ助けられましたね。


お世話になったぶんしっかり農業に励んで、おいしいものを皆さんに食べてもらって、ちゃんと経営して続けていくことが恩返しと思って頑張っていきます。


長文読んでいただいてありがとうございました。

良かったらうちの野菜を一度ご賞味ください(^^)